世界的な効果をもたらす18のプロジェクトをご支援ください

ルフトハンザ グループが厳選したポートフォリオには、測定可能な気候保護を推進し、世界中でより持続可能な環境を実現する、質の高い気候保護プロジェクトが含まれています。これらのプロジェクトは、数年にわたってCO₂排出量を相殺または回避し、また、生物多様性や地域住民の生活環境などを改善しています。

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ルフトハンザ グループは、myclimate、ClimatePartner、SQUAKE、climate Austriaといったプロバイダーと協力し、他の分野での二酸化炭素排出量を相殺する気候保護プロジェクトを世界中で推進しています。

ルフトハンザ グループが支援するプロジェクトはすべて、現時点で最高の品質基準を満たしています。ヨーロッパ以外の地域における気候保護プロジェクトのほとんどは、「Gold Standard」や「Plan Vivo」などの国際基準による認証を受けています。ヨーロッパ地域の気候保護プロジェクトは、「MoorFutures」やスイスのCH VERの指針など、現地の基準に準拠することにより、その効果と質を確保しています。

ルフトハンザ グループが支援する気候保護プロジェクトは、その効果の観点から3つのカテゴリーに分類されます。

大気中の炭素を除去し、隔離するプロジェクトは「除去」プロジェクトと呼ばれています。

これには、森林再生や自然景観の再野生化などの自然環境を基盤としたプロジェクトが含まれます。これらのプロジェクトの気候に対する効果は、主に光合成のプロセスによるものです。光合成とは、植物が成長する際に大気中のCO2を吸収し、糖やでんぷんに変えて植物内に隔離するプロセスです。

技術を基盤とした除去プロジェクトでは、大気中のCO2を恒久的に隔離するソリューションに主眼が置かれています。

例えば、「バイオ炭プロジェクト」では、大気中から除去されたCO2は、バイオ炭の形で炭素として隔離されます。

非常に高度な技術により、大気中のCO2をろ過し、長期的に貯蔵するソリューションが提供されています。

これらのプロジェクトは、依然として利用できる範囲が限られています。ルフトハンザ グループは、これらのプロジェクトを推進し、活用するために、さまざまなパートナー組織と協力しています。将来的には、ルフトハンザ グループの気候保護ポートフォリオの一部として、これらのプロジェクトを旅行者に提供できるようにすることを目指しています。

自然を基盤とするプロジェクト

気候に合わせて最適化された森林管理(グラウビュンデン州)

プレティガウとダボス地域の森林所有者は、森林管理を気候に合わせて最適化し、大気中から恒久的にCO2を除去するための対策として、潜在的な木材資源の利用を自主的に廃止しています。また、これらの森林所有者は、気候保護への寄付からの収入を森林に投資し、森林の回復力を高め、生物多様性を促進し、啓発活動を推進することを約束しています。

森林再生気候プロジェクト(ビチャダ州)

この気候保護プロジェクトは、コロンビアのオリキア地域、ビチャダ州で行われており、劣化した土地の森林再生を支援しています。このプロジェクトは、できるだけ自然な森林を作り、高品質の広葉樹を植林することによって、炭素を隔離することを目的としています。同時に、脆弱で劣化した地域を経済的、社会的、生態学的に存続可能な方法で安定化させ、修復します。ビチャダ州は歴史的に家畜の放牧に集中的に使用され、定期的に火災に見舞われてきました。その結果、景観はサバンナへと変化し、深刻な土壌劣化を招きました。

モンゴルで遊牧民が気候変動対策に乗り出す

この先駆的なプロジェクトは、世界的に重要な生物多様性のホットスポットであるモンゴルの山岳地帯や大草原で遊牧民と協力して行われています。一般的に劣化が著しい草原における、生態系の回復と炭素吸収を支援することを目的としています。劣化の主な原因である過放牧については、土地と家畜の管理方法の改善、主要な野生生物種と生息地の保護、代替収入源の創出によって対処します。

技術を基盤とするプロジェクト

バイオ炭:長期的な炭素除去

バイオ炭は、大気中から二酸化炭素を恒久的に除去する最も拡張性のあるソリューションのひとつとして注目されています。このプロジェクトは米国東海岸で実施されており、自治体の庭園や林業の廃棄物を利用し、熱分解プロセスによってバイオ炭に変換しています。これは、酸素のない環境でバイオマスを加熱し、バイオマスの炭素含有量を何世紀にもわたって隔離する炭に似た物質(バイオ炭)を生成するものです。このプロセスで生成された合成ガスは、熱分解システムを持続的に再加熱するために利用されます。バイオ炭は長期的な炭素吸収源として、また環境にやさしい基質として役立ち、土壌の質を高め、作物の収穫量を増やし、土壌の保水能力を向上させます。

バイオ炭:インドにおける炭素隔離と草原再生

Varahaのバイオ炭プロジェクトでは、インドで侵略的外来種メスキートをバイオ炭に転換し、生態系への脅威を気候ソリューションへと変えています。このプロセスで、CO₂を1,000年以上にわたって土壌に貯留させ、土壌の健全性を高め、水を節約し、作物の収穫量を増加させます。プロジェクトでは、草原を再生させ、生物多様性を支援するとともに、雇用創出とトレーニングを通じて、地域社会、特に女性の自立を後押しします。
 

回避」プロジェクトの目的は、さらなる二酸化炭素排出を回避することです。支援対象となるプロジェクトには、省エネ調理器の利用、再生可能エネルギーへの投資、飲料水処理ソリューションの提供などがあります。これらのプロジェクトは、環境や気候に効果をもたらすだけでなく、トレーニング職や雇用の創出、飲料水の提供、清浄な大気の創出による地域住民の生活環境の改善や、生物多様性の保全など、さまざまな利益をもたらします。

「Märchenwiese」湿原の再生

この気候保護プロジェクトの一環として、メクレンブルク=フォアポンメルン州において「Märchenwiese」湿原の再生が進められています。再湿潤化のプロセスは、典型的な湿原の植生が長期的にこの地に再び定着するのに役立つ可能性があります。これにより、効率的に炭素が隔離され、多くの絶滅危惧種にとって貴重な生息地が創出されることになります。

効率的な太陽熱調理器で島の緑を取り戻す

マダガスカルのCO2を削減し、急速な森林伐採に対抗するため、myclimateは高効率調理器と環境にやさしい太陽熱調理器の製造と配布を支援しています。このプロジェクトの主な要素は、環境保護や地球にやさしい調理法について就学期の子どもたちの意識を高めること、そして調理器が1台売れるごとに2本の植林も行うことです。

UpEnergyのバイオマス調理器

ウガンダでは、人口の大半が清潔な調理設備を利用できません。そのため、多くの人々が自ら収集した薪を使って直火で調理を行っており、これは環境にも人体にも有害です。その結果、家庭から排出される汚染物質は、特に女性や子どもにとって健康上の大きなリスクとなり、燃料用の薪の不足は森林伐採につながっています。この気候保護プロジェクトでは、全国のコミュニティにエネルギー効率の高いバイオマス調理器を提供しています。この改良型調理器では、試用する薪の量が大幅に減ることで、大気汚染と環境劣化を軽減すると同時に、温室効果ガスの排出も抑えます。

学校と家庭に清潔な飲料水を

この気候保護プログラムの主な目的は、ウガンダの低所得世帯や学校などの機関に浄水装置を配布することです。その結果、再生不可能な薪や炭の消費が削減され、二酸化炭素排出量が削減されるだけでなく、何千人もの人々の健康と生活環境にも良い影響をもたらします。

高効率調理器の使用

この気候保護プロジェクトでは、ナイジェリア国民の大半が使用している効率の悪い調理用コンロを、高効率の調理用コンロに交換しています。このプロジェクトの目的は、二酸化炭素排出量の削減、健康状態の改善、そして森林伐採の削減です。

ヒマラヤの高効率調理器

この気候保護プロジェクトの一環として、インドのガロ丘陵地域の遠隔地にある家庭に改良型の調理用コンロが設置され、維持管理が行われています。この調理器は燃焼効率が高いため、調理に使う薪の量が減り、二酸化炭素排出量が削減され、同時に室内の空気汚染と森林伐採も減少します。

アフリカにおける安全な飲料水

水道水の利用が限られているナイジェリア (11.7%) とケニア (36.8%) では、多くの家庭が水を直火で沸騰させることを余儀なくされており、二酸化炭素排出と室内空気汚染の原因となっています。このプロジェクトでは、4万校の学校に浄水装置が設置され、1,600万人の学童と教師に清潔な飲料水が提供されています。これにより、直火で水を沸騰させる必要がなくなり、二酸化炭素排出量を削減します。

貯蓄グループが効率的なクックストーブの購入を後押し

ケニアの農村、シアヤでは、直火調理で大量の薪を消費しています。コミュニティ貯蓄貸付 (CSL) グループのおかげで、女性たちは高効率調理器を購入できるようになっています。薪の使用が減り、森林が保護され、二酸化炭素排出が削減されています。CSLグループも、女性の経済的、社会的な自立を後押ししています。このプロジェクトは5つのSDGsを支援しています。空気の質を改善し、時間とお金を節約して、58万人を超える人々に利益をもたらしています。
 

小型バイオガスユニットで煙の出ないキッチンを実現

カンボジアの農村部では、伝統的に簡素な薪ストーブで調理を行っています。これは、呼吸器疾患、森林伐採、温室効果ガス排出につながります。このプログラムにより、各家庭が小型バイオガスユニットを購入できるようになり、それによって森林の保全と人々の生活の質の向上に役立っています。

二酸化炭素をコンクリートに貯留

CarbonCureは、脱炭素化が困難な分野であり、世界の炭素排出量の約7%を占めるコンクリート業界向けの炭素除去技術を開発しました。このソリューションは、この業界に恒久的で検証可能かつ規模の拡大が可能な炭素除去と削減を提供します。CarbonCureの技術は、回収したCO2をコンクリートに注入し、そこで化学的に鉱物に変換することで、大気から恒久的に炭素を除去します。このプロセスは、炭素を恒久的に貯留するだけでなく、コンクリートを強化し、コンクリートの中で炭素集約度が最も高いセメントの消費量を削減できるようにします。

Climate Austriaのポートフォリオ

Climate Austriaは、オーストリアの主要なカーボンオフセットプロバイダーのひとつであり、「Kommunalkredit Public Consulting」 (KPC) が運営しています。Climate Austriaのポートフォリオ戦略は、地域的にも技術的にもバランスのとれたさまざまな気候保護対策の組み合わせを保証しています。その活動はすべて定期的に外部評価を受け、オーストリア連邦気候変動対策・環境・エネルギー・モビリティ・イノベーション・技術省から国家レベルでの支援を受けています。Climate Austriaは、排出削減に貢献する高品質なプロジェクトを支援し、特に再生可能エネルギー、エネルギー効率、建築物、生産プロセスを優先させています。

ガスボイラーに代わる木質バイオマス

このプロジェクトは、ブラジル、カイエイラスの紙パルプ工場で、ガスボイラーからバイオマスボイラーに切り換えることにより、二酸化炭素排出を削減しています。バイオマス廃棄物から新たな価値が得られており、燃焼灰は初めて肥料として利用されています。このプロジェクトは793GWhの熱エネルギーを生み出し、8,750万m³の天然ガスを節減しています。雇用29件を創出し、5つのSDGsを支援しています。
 

ベルギーにおける泥炭地の再生と保全

ベルギー、フランドルのズワルトベーク渓谷には、生物多様性と気候に不可欠な地域最大の泥炭地があります。数十年にわたる排水で、この泥炭地はCO₂の吸収源から排出源へと変わってしまいました。このプロジェクトは、泥炭地の再湿潤化、生息環境の改善、排出量の削減によって、100ヘクタールを再生しています。MoorFuturesの認証を受け、50年間で2,500トンのCO2eを削減します。
 

このプロジェクトは、国連の「持続可能な開発目標」に貢献しています。

17のグローバルな持続可能な開発目標(SDGs)とその169のサブ目標は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核をなすものです。持続可能な開発の経済的、社会的、生態学的側面に取り組み、貧困との戦いと持続可能な開発に向けた挑戦を同じアジェンダに載せることを初めて実現しました。

SDGsは2030年までに世界中で、そして国連加盟国すべてによって達成されることになっています。これは、世界が直面する差し迫った課題に対する共通の解決策に貢献することが、すべての国家に求められていることを意味します。スイスは、これらの目標を国家レベルで実施することを約束しています。また、持続可能な開発にますます積極的に貢献するよう、非政府組織を奨励するインセンティブも創出される予定です。