旅行者血栓症とは?
ニュージーランド保健省の
Medsafe(医薬医療器具管理局)のホームページに、旅行者血栓症に関する参考となり役に立つ情報がございます。(英語版)
旅行者血栓症の定義と、旅行者血栓症になる発生要因について
旅行者血栓症とは、下肢の深部静脈で発生する(肺塞栓症の合併症を招く場合もあり)血栓症です。
長時間座席で同じ姿勢のままでいると、出発時には急性静脈塞栓症の兆候など全くなかった方でも、なる可能性があります。
DVT(Deep Vein Thrombosis - 深部静脈血栓症)とも呼ばれます。
旅行者血栓症になる要因
長距離路線で身体をあまり動かさないでいると、深部静脈血栓ができやすい環境になります。その発生する要因は;
- 狭い機内で長時間身体を動かさずに座っていると、太もも上部に圧力がかかり、血栓の要因になります
- 気圧の低い機内で、水分の補給が充分ではないと、血栓の要因になります
旅行者血栓症になりやすい方のリスク度合いによるカテゴリー
カテゴリー 1 - 低リスク
長距離路線で長い時間身体を動かさないでいると、全てのお客様に旅行者血栓症になる低いリスクがあります。
カテゴリー 2 - 中リスク
長時間身体を動かさずにいて、妊娠中・産後のお客様、もしくは以下の2つ以上に該当するお客様に中レベルなリスクがあります。
- 年齢が60歳以上の方
- 臨床的に関連性のある心臓病の方
- 家族に血管の病気をお持ち / 静脈疾患のある方
- 大静脈瘤、慢性静脈不全の方
- 排卵抑制剤(避妊ピル) / 更年期でホルモン補充をされている方
- 肥満の方 (BMI値が30以上)
- 水分摂取不足 / 脱水症状の方
カテゴリー 3 - 高リスク
長時間身体を動かさずにいて、
- 遺伝的に静脈血栓塞栓症がある方
- 悪性腫瘍や同様の病気をお持ちの方
- 足を怪我されて固定している方
- 血栓症の高い恐れのある手術を受けた後の方
各カテゴリーにおける対処法
カテゴリー 1 - 低リスクの方
一般的な対処:
- 運動 - 足を延ばし、置く場所を頻繁に変えてください(足を交差させたりアイソメトリックス運動(筋肉を動かさずに力を入れる)をしてください。可能なら機内を歩いてください)
- 水分を豊富に摂取してください(アルコールの過剰摂取はお避けください)
- 適量の睡眠改善薬や鎮静剤をお飲みください
カテゴリー 2 - 中リスクの方
カテゴリー1の一般的な対処法に加えて、
- 圧縮/弾性ストッキングの着用(圧縮クラスI)
- 静脈不全のお客様には、ふくらはぎ丈程度の圧縮ストッキングの着用が推奨されます
- 妊娠等の特別な場合は、低分子量のヘパリン(抗凝固薬)の使用もご検討ください(下記カテゴリー3もご覧ください)
カテゴリー 3 - 高リスクの方
カテゴリー1の一般的な対処法、カテゴリー2の圧縮ストッキングの使用に加えて、低分子量ヘパリン(抗凝固薬)の使用をご検討ください
- 出発直前に皮下投与する
- 日帰り旅行の際は1日1回
- 高リスク状態にある際に使用する
旅行者血栓症の予防措置
ミネラルウォーター、無炭酸水、ソフトドリンク、ハーブティーを多く飲まれることを推奨します。飛行時間にもよりますが、1~2リットル飲まれることが望ましいです。
コーヒー、紅茶、アルコールには利尿作用があり水分を失ってしまいますので、大量の摂取は避けてください。
機内での運動 - 運動すると一般的に筋肉が伸縮し、静脈の血流量を盛んにします。ゆったりして快適な服装を着用すると、血流が妨げられるのを防止できます。
アイソメトリックス運動(等尺性収縮 - 関節や筋肉は動かさずに力だけを入れる運動)を行ってみてください。座っている間に、足を上下に動かしたり、グルグルまわしてください。ときどき太ももの上下の筋肉に力を入れたり楽にしたりして、足の筋肉を動かすよう心がけてください。足のマッサージも効果的です。
カテゴリー2で挙げた圧縮/弾性ストッキングを、カテゴリー1の方にもお勧めします。ひざ丈の靴下でも効果は十分です。これら専門家による意見はとても効果的です。質の悪い素材や履き心地の悪い靴下で、折り畳みがひざ裏にくるものは望ましくありません。症状に応じて、ふくらはぎ丈の靴下もおすすめできます。
血流を改善する療法 - 低分子量ヘパリンは腹壁や太もも上部の脂肪に皮下注射で使用します。ご自身で注射する方法は医師にご確認ください。副作用や禁忌作用にご注意ください。
機内上映の各プログラムの合間に、座席でできる簡単なエクササイズを紹介するビデオを長距離路線では流しております。
こちらをご覧になりながら、快適な空の旅をお過ごしください。